概要
Day.ai は AI ネイティブの CRM です。レップに入力させるのではなく、顧客レコードを自ら組み立てます。Gmail、Google Calendar、Slack、録画された会議を取り込み、それらを同社が Customer Memory と呼ぶものにコンパイルします。これは顧客とのやり取りをインデックス化したコンテキストグラフで、出典と各結論の裏にある推論チェーンを一緒に保持します。エージェントはリクエストのたびに生のトランスクリプトや受信トレイを読み直すのではなく、この前処理済みのメモリを読みます。ライブコネクタのファンアウトより 1 タスクあたりのトークン消費が少ない理由として、同社はこれを挙げています。
Day.ai は 2023 年春、HubSpot の元 chief product officer である Christopher O’Donnell と、同じく HubSpot のプロダクトおよびセールス出身の Michael Pici によって創業されました。約 18 か月をクローズドな早期アクセスで過ごし、顧客はおよそ 120 社。2026 年 2 月 2 日に一般提供を開始し、同時に Sequoia 主導の 2,000 万ドルのシリーズ A を発表しました。Pat Grady が board に加わり、Greenoaks、Conviction、Sound Ventures、Permanent Capital が参加しています。これに先立ち Sequoia 主導の 400 万ドルのシードがありました。2026 年 4 月時点の従業員数は 38 名です。同社はこのカテゴリを CRMx として売り出しています。レコードではなくコンテキストを、人間にとってもエージェントにとっても主要なインターフェースにするという主張です。
RevOps スタックに登場する理由
- 買うのはシートではなくエージェントです。 有料プランはいずれもエージェント 1 体につき月額で課金されます。Professional エージェントを 1 体以上持つ workspace には人間の同僚を無料で追加できるため、請求額は何人がログインするかではなく、どれだけ自律的な作業を走らせるかに連動します。既存 CRM がすべて依拠しているシート数の計算を、これがひっくり返します。
- 上に重ねるのではなく、システム・オブ・レコードそのものを置き換えます。 Rox、Agentforce、Breeze はいずれも下層の CRM を払い続ける前提です。Day.ai は、レコード自体をエージェント中心に作り直すべきだと主張する極です。請求は 1 本、データモデルは 1 つ、維持すべき同期レイヤーはありません。
- MCP サーバーはチェックボックスではなく一級のインターフェースです。 Day.ai は
https://day.ai/api/mcpで OAuth 認証の MCP サーバーを提供しており、オブジェクト検索、レコード作成、会議トランスクリプト、メール下書き、通知をカバーする 20 以上のツールを備えます。Claude のディレクトリに掲載されており、Claude Code と Cursor から動作します。Operations Harness はさらに踏み込み、設定画面をクリックして回る代わりに Claude Code から workspace を管理できます。MCP の利用には有料のエージェントプランが必要です。
価格の実際
公開価格、エージェント単位、月額、超過課金なしです。
- Free — 0 ドル。Gmail と Calendar の取り込み、会議の録画とコンテキスト、検索、共有、コンタクト作成。
- Turbo — 25 ドル。タスク管理、メール下書き、ウェブ検索、自動化スキルスロット 2 枠が加わります。
- Professional — 60 ドル。パイプラインと商談の管理、カスタムプロパティとビュー、workspace 作成、自動化スキルスロット 5 枠が加わります。
- Executive — 200 ドル。プロスペクティング、workspace 全体のカスタム指示、管理者コントロール、自動化スキルスロット 10 枠が加わります。
年額払いは 20% 安くなります。現実的な 5 人の GTM チーム、つまり Executive エージェント 1 体、Professional 2 体、Turbo 2 体という構成なら月額 370 ドル、年間およそ 4,440 ドル、年額払いにすればおよそ 3,550 ドルです。ビジネスケースで効いてくる数字は headcount ではなくエージェント数です。この workspace にエージェントを持たないユーザーを 5 人追加しても費用はゼロですが、シート課金の CRM なら同じ 5 人は請求書の 5 行分になります。支出のモデルは、実際に走らせたいスケジュール実行スキルの数で組んでください。プランが計測しているのはその変数です。
こんな人に最適
シードからシリーズ B の企業で、システム・オブ・レコードをまだ動かせるだけの早い段階にあり、実際のボトルネックが「誰も記録しない」ことにある RevOps リーダーと創業者主導の GTM チームです。パイプラインが CRM ではなく受信トレイと通話録音の中に住んでいる状態を指します。シートを増やすより、スケジュールされた自律作業(朝のパイプライン・ブリーフ、夜間のターゲットリスト)に支払いたい場合こそ、正しい選択になります。
次の場合は見送ってください。CRM が請求、サポート、あるいは warehouse の契約を支えている場合、認定済みのパートナー製アプリと厚い連携カタログが必要な場合、または調達部門が 38 名のベンダーをシステム・オブ・レコードとして承認しない場合です。
代替候補との比較
既存勢力は Agentforce を備えた Salesforce と Breeze を備えた HubSpot です。すでに支払っているプラットフォームの中にエージェントを集約するほうが移行に勝る場合、あるいは 10 年分の ISV が生み出した連携カタログと管理ツールが必要な場合は、こちらを選んでください。Rox は上に重ねるレイヤーの極です。CRM はそのまま残し、その上でエージェントを働かせたいなら Rox を選んでください。Attio は AI ネイティブ CRM セグメントで最も急成長している新規参入者であり、最も近い代替です。データモデルが柔軟なモダン CRM を自チームが操縦したいなら Attio を、エージェントが操縦して人間がレビューする形にしたいなら Day.ai を選んでください。
注意点
- これはアドオンではなく、システム・オブ・レコードの移行です。 CRM を引き剥がすと、レポーティングの連続性、各種連携、そしてそこから読み取っている下流のあらゆる契約が壊れます。ガード: 1 つのセグメントまたは 1 つのレップ・ポッドで Day.ai を丸 1 四半期並行稼働させ、パイプライン合計が一致するまで既存 CRM をレポーティングの正とし、切り替える前にエクスポート経路を確認してください。
- ベンダーは若く小さいです。 従業員 38 名、顧客およそ 120 社、一般提供から 5 か月、ARR の公表はありません。ガード: データエクスポート条項と 1 年未満の契約期間を交渉し、会議録画とメールは元のシステムに残しておいてください。ベンダーの状況が変わっても、コンテキストグラフを Google と Slack から再構築できる状態を保てます。
- エージェントの自律性は、顧客レコード上の新しい障害面です。 Day.ai 自身のリファレンス・エージェントは、下書きとフラグ立てに制限されています。1 体は「deal にフラグを立てるが、ステージや forecast を自ら変更することはない」、もう 1 体は「下書きのみで、プロスペクトにメールを送ることはない」と説明されています。ガード: 最初の四半期は自社のエージェントにも同じ制限をかけ、エージェントが書き込んだフィールドを毎週レビューし、Executive プランの 10 枠を一度に開放するのではなく、スキルスロットを 1 枠ずつ書き込み権限に追加してください。
- 連携の面積は狭いです。 確認できているコネクタは Google Workspace、Slack、Zoom、Gong、Zapier と MCP クライアントです。ガード: 現在 CRM から読み取っているシステムをすべて洗い出し、契約前にこのリストまたは Zapier 経由の経路と 1 つずつ突き合わせてください。移行コストが隠れているのは、その隙間です。